えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

霧の朝

朝、窓から外を眺めると霧が立ち込めていた。

「わ~ステキ!!」と、いつもと違う幻想的な景色にしばし見とれてしまった。

 

そういえば、まだ40代の三交代で働いていた頃のこと。

当時、私の通勤路の半分以上は田んぼや畑の道だった。それでも一応は県道。夜勤の時には国道を通ることもあったけれど、田舎道の方が近いし早い。だから、誰も通っていないような田んぼ道でもその道を通っていた。

ある日、準夜勤を終え、夜中の2時過ぎ帰途に就いた。病院を出て田んぼ道に差し掛かると、辺り一面に濃い霧が立ち込めていた。

遠くの方に田んぼの畦道を通っている一台の車が見えた。ボ~とライトの光が暗闇の霧の中で光り、車体はまるで空を飛んでいるように見えた。それはまるで銀河鉄道999の世界のようだった。

一瞬「わ~ステキ!!」思ったけれど、先は1㍍も見えない状況で、自分の車も浮いているように感じてしまった。そう思い始めると怖くて怖くて・・・

私が通っている道は片道一車線の田んぼ道でセンターラインもない。対向車が来ないとはいえ、何を頼りに前に進めばいいのか分からない。田んぼに落ちはしないか、何かにぶつかりはしないかと、怖いのと緊張で家に着くころにはへとへとになってしまった。

 

今日は夫のデイケアの日。

そんなことを思い出したら、霧の景色に見とれている場合ではない。送迎車が来る時間に遅れないようにしなくてはと焦ってしまった。

昨晩、なかなか寝付けなくてタダでさえも起きるのが遅かった私。夫は寝息をたてて気持ち良く寝ている。だけど、送って行くことになったら大変なこと。こんな日はやっぱりプロの運転手さんに任せなくてはと、夫を叩き起こした。

私は勤務していた頃には起きてから出勤までの時間はかなり早かった。でも、夫はトイレにも着替えにも洗面にも時間がかかる。まあ、仕方がないことなんだけれど。

今日は起こしてからお迎えまでに1時間を切っていた。でも、大急ぎで準備を整え、何とかギリギリいっぱいで間に合うことができた。

霧のために渋滞していたそうで、それで「セーフ!!」だった。

 

夫が出かけてしばらくしたら霧はすっかり晴れていた。

おかげで私は高校時代からの友人Yちゃんと久しぶりにモーニング&ランチを楽しみ、ストレスを発散することができた。