えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

断ち切りたい貧困の連鎖

陽射しは暑いぐらいだったけれど、爽やかな風が吹き、気持ちがいい1日だった。

洗濯物を干そうと庭に出ると、家の前の公園では2歳ぐらいの女の子と父親らしい男性が遊んでいた。かわいらしい声で「パパ~、パパ~」と呼んでいる声が聞こえ、何ともほほ笑ましかった。

洗濯物を干し終える頃にはもう一組、今度は母親らしき人がベビーカーを押してやって来た。

私はそんな光景に触発され、夫を誘って外に出た。

1時間ほど散歩をし、家に戻るともう昼だった。

 

昼食を食べれば、夫はいつも通りお昼寝の時間。

私は片づけを済ませてから、庭の草取りを始めた。

 

公園の方に目をやると、今度はお孫さんとそのおばあさんだろうか。年配の女性はベンチに座り、砂遊びに興じている女の子をじっと眺めていた。

 

1時間とすこし草取りをしてから、私は家の中に入った。

水分補給をしながら窓の外を眺めると、今度は中学生ぐらいの男の子が何人かで楽しそうにソフトテニスをやっていた。

 

「なんて穏やかな日曜日だろう・・・」と思いながら、夜を迎えた。

 

いつもならテレビは観ないのだけれど、今日は故あって「NHKスペシャル」を観た。

 調査報告  女性たちの貧困 ~“新たな連鎖”の衝撃~ というもの。

1月の「クローズアップ現代」“あしたが見えない”で、10代、20代女性の間で深刻化する貧困の実態を放送したあと、「人ごとではない」という声がたくさん寄せられたそうだ。その放送、私も見ていた。

それで、その後に取材を進めると、親の世代の貧困が子の世代へと引き継がれ、若い女性たちに重くのしかかっているという現実が見えてきたという。

 

番組では取材した何人かの女性を映していた。

小1の時に父親が亡くなり母親も腎臓病を抱えながら働いているという19歳の女性は高校進学を諦め、母親を支え、朝5時から働いているという。

両親が離婚し、母親が家賃を払えなくなり、ネットカフェで生活している姉妹。

姉はそこからコンビニに働きに行き、妹は中学にも行けないでいるという。母親も同じようにネットカフェで寝泊まりしながら働いている。

他にも両親が離婚し、奨学金を借りて大学を卒業した女性は、卒業したら正規で働き、奨学金を返済する計画を頭に描いていたけれど、就職できずに大学時代からのアルバイト先でそのままアルバイトとして働いているという。その友人は正規職員としてカラオケ店で就職できたけれどボーナスはなく、手取りで15万円ぐらいだそうだ。

他にも何人か・・・

どの人も、朝早くから、夜遅くまで働きづめ働いても、ダブルワークをしても、かなり厳しい生活を強いられている。

そんな生活から抜け出したいと、わずかなお金でやりくりし、保育士を目指し専門学校に入学した女性もいた。

どの人たちも行政や誰かに頼ったりすることはなく、血のにじむような生活をしていた。そんな映像を見ていたら涙がこぼれそうだった。

雇用は何とかならないのだろうか。

非正規であっても、正規職員以上の時間を仕事に費やしているのだから、せめて生活できるだけの報酬がなければおかしい。

行政は、政治は、どうなっているのだろう。

親の貧困が子に連鎖するなんて・・・

学校にも行けず、就職もできず、ネットカフェでしか生活できないようなそんな世の中は間違っている。

「贅沢しなくてもいいからせめて普通の生活がしたい」という彼女たちの声が政治家に届いてほしいと思う。