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えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

毎日が介護の日

NHKニュースで「今日11月11日は介護の日」だと 伝えていた。

そして、認知症の親をどのように介護していくかなど、介護を巡る悩みに応じる無料の電話相談が東京で行われいること。電話相談は、「介護の日」に合わせて全国の病院や介護施設などでつくる団体が行っていること。東京・文京区の会場には午前中から次々と電話が寄せられ、ケアマネージャーや介護福祉士など介護の専門家15人が相談に応じていること。相談では、「母親をグループホームに入居させたいが、空きが無くて困っている」とか、「認知症の父親を自宅に引き取りたいが、負担が重いため家族の理解が得られない」といった家族の切実な声が寄せられているということ。高齢化が進むなか、65歳以上の高齢者が主に介護を担う「老老介護」の割合が初めて半数を超え、介護を担う人をどのように支援していくかが課題となっていること。 などを、電話相談会場を映しながら伝えていた。

 

厚労省のホームページによると、「介護について理解と認識を深め、介護従事者、介護サービス利用者及び介護家族を支援するとともに、利用者、家族、介護従事者、それらを取り巻く地域社会における支え合いや交流を促進する観点から、高齢者や障害者等に対する介護に関し、国民への啓発を重点的に実施するための日」だそうだ。そして、「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけた覚えやすく、親しみやすい語呂合わせとしたと書かれていた。

 

介護の日」を決めることも、それに合わせて各地でイベントが開催されることも悪いことではないと思っている。だけど、私は9日の朝刊の一面から二面に続くあまりにも酷くて悲しい記事が頭から離れないでいるのだ。

見出しだけ書くと

『制度外ホームで「拘束」』

「介護必要な高齢者130人に」

「都内の住宅 月15万円」

『ヘルパー多忙「拘束」に慣れ』

「有料ホーム入れず窮地に」

『「一般マンション」と紹介』

これは家賃、介護費、医療費、食費などを含めて月15万円で生活できるという、都内の「シニアマンション」の話しだ。

敷金や入居の一時金もいらない。有料老人ホームとして自治体に届け出ていない制度外のホームだ。マンション業者は医療法人と提携し、入居するには原則的に医療法人の審査が必要になる。そして、ヘルパーは医療法人運営の事業所から派遣される。

入居者はほとんどが要介護5か4の体が不自由な高齢者。居室は4畳半程度で、ベッドが大半を占め、他には丸イス1個と収納ケースぐらい。ベッドは高さ30㌢ほどの柵で囲われ、下りられないようになっている。入居者によっては腹部に太いベルトが巻かれたり、ミトン型の手袋をはめられたりして、ベッド柵に手首が固定されている。

居室のドアは、廊下側から鍵をかけられる。「24時間ドアロック」と大きく書かれた紙などを張り、ヘルパーたちにドアの施錠を確認させている。

入居者への介護は最大限でも1回30分または1時間で、1日3~4回。これだけにとどまるのは、自宅にいる高齢者が受ける介護保険制度の「訪問介護」のためだ。要介護度が重い入居者でも、訪問介護以外の時間は原則的には対応しておらず、「拘束」状態が続く。

実は、私が看護師として勤務していた時にもこの手のマンションがあったのだ。そこはあくまでも個人の住まいという触れ込みだったけれど、提携している医療法人から月に1回(だったと思う)訪問診療が受けられ、24時間介護も受けられるということだった(と思う)。そして、入居の条件は胃ろうの患者さんはOKだけれど、中心静脈栄養(点滴)や自分で食事が摂れる患者さんはダメ。意識がない患者さんはOKだけれど、歩ける患者さんはダメ。と言うことだった。とにかく、食べることも歩くこともできない寝たきりの患者さんだけが対象だった。

私はそのマンションのパンフレットを見たり、入居の条件を聞いた時、この新聞記事のような状態が目に見えるようだった。だから、患者さんが退院後、家族から介護に困るという相談を受けた時にもそういうマンションのことを話すことはせず、ケースワーカーやケアマネを交え、他の方法を一緒に考えてきた。それでも、どこかで情報を得た患者さんの家族からそこに入居させたいという申し出があったことがある。で、その患者さんは自宅という形のその住居に退院して行った。あれからその患者さんがどうなったのか私には分からないけれど、この新聞記事を読んで当時のことを思い出していた。

 

介護の日」は、介護について理解と認識を深め、介護従事者、介護サービス利用者及び介護家族を支援するとともに、利用者、家族、介護従事者、それらを取り巻く地域社会における支え合いや交流を促進する観点から、高齢者や障害者等に対する介護に関し、国民への啓発を重点的に実施するための日だというけれど・・・

ずいぶん前の新聞には「お泊りデイ」と言って、ショートステイが足りないために規制されない劣悪な環境で夜間も介護を受けている高齢者の記事を読んだ。酷くて、悲しい記事ばかりだ。

「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」と言える高齢者や障害者がどれだけいるだろう。介護する側の問題も「老老介護」だけではなく、介護のために仕事を続けられない若者の問題、多重介護、一人介護、遠距離介護などなど、問題は山積している。

だから、私にとっての「介護に日」は今日だけではないのだ。毎日が「介護の日」なのだから。