先週の水曜日から、夫も私もデイケア日以外には外出をしていない。お天気が悪かったこともあるけれど、散歩にさえも行くことはなかった。
それでも、私はゴミステーションまでは行っている。だけど、夫は玄関から一歩も出ていない毎日だった。
どこにも行かなくったって一日は暮れる。「週に2日はデイケアに行っているのだから、それでいいじゃないか」と思いながらも「このままでいいのだろうか・・・」と、思ってしまうことがある。
正に今日はそんな日だった。
雲で覆われた空を眺めながら、私のどこかに行きたい病がうずき始めた。雨は金曜日ぐらいからの予報。近くならば大丈夫だろうと「絵を観に行かない?」と、夫を誘ってみた。
豊橋市美術博物館で開催中の「雪月花 美人画の四季」という企画展に行きたいと思っていたから。
美人画に特別な興味があるわけではないけれど、地方都市では企画展を逃したら、そうそうこれだけの絵を観ることはできない。だから、会期中には行こうと思っていたのだ。
美人画のコレクションで有名な培広庵コレクションが80点展示され、それは見事だった。上村松園、伊東深水、鏑木清方等など。
だけど、私レベルでは上手(当然だけど)だとか、きれいな絵ぐらいしか感じ取ることができなかった。作者の名前が書いてなければ、どの絵が松園の絵なのか深水の絵なのかも分からないぐらい。ただ、80点の中から絶対に違うと思うものを20点ぐらい選べと言われれば選べるかもしれないけれど。だけど、そんなレベル。
夫も美人画が特に好きだったわけではないけれど、それでも私とは反応が違ったみたい。どう違うかは、言葉では言い表せないけれど。でも、有料の企画展だからやっぱりすばらしい絵ばかりだったと思う。
それに、夫に刺激を与えることもできたし、私自身の欲求も満たされたわけだから、今日の成果は十分だったと思っている。
そして、美術館の2階までの長いスロープを車いすを押していた時、見知らぬ方から「大丈夫ですか? 何かお手伝いしましょうか・・・」と、温かい声をかけていただいたことも嬉しいことだったから。