夫が脳出血で倒れてから、ネットでいろんなことを調べまくっていた。
その時、はてなではないけれど、あるブログに出会った。そのブログを書いていたのは奥様(カカさん)を脳出血で介護しているトトさん。一口に脳出血といっても、症状も回復過程もみんな同じではない。でも、カカさんの症状が夫と一番似ていたことから、私はトトさんのブログを夢中で読むようになり、知らず知らずのうちに助けられたり、励まされたりしていた。そして、初めてブロ友にしてもらったのもトトさんだった。
そのトトさんがこの間「業界用語」と題した記事を書いていた。
http://ameblo.jp/modan1228/entry-11640505734.html
カカさんがデイサービスやショートステイを使うようになって、医療用語に接することが多くなったトトさん。
そこで、汚染とか全廃とか廃用とか、医療現場で使われる言葉をそのまま利用者であるカカさんに使われ、ちょっと嫌な気分になったという記事だった。
それは当たり前のことだと思う。医療職として働いていた私だって、トトさんと同じ気持ちになってしまうのだから。
私も夫が倒れてから、書き出せばきりがない程、嫌な言葉に出会ってきた。私の場合、今現在より急性期病院に入院していた時の方がずっと多いのだけれど・・・
あれは脳外科病棟の大部屋にいた時のこと。
夫はもう一人の男性と2人で4人部屋にいた。あと2床は空床だった。
そこに師長と思われる看護師が来て「びっくりするといけないので言っておきますが、明日までこの部屋を男女の混合部屋にしますから」と言った。
多分、緊急入院の患者さんができ、その部屋の確保が難しかったのだと思う。
私も医療に従事していた者。そして、入院患者さんのベッド管理もしていたので、もちろん協力もする。ICUではカーテンで仕切られているだけで男女混合。緊急事態であれば目の前の患者さんを助けなければならないことは理解できるから夫の部屋をICUと考えればいいだけのこと。
でも、それからが問題発言だった。ほんと、師長とは思えないような不謹慎な言葉が発せられた。
「カーテンの開け閉めには十分気をつけるようにしますから・・」と言いながら「でも男性は女の裸を見れば元気になるかもね」と言ったのだ。
私は耳を疑った。
夫はベッドに拘束された状態。しかも失語症で右は見えない。同室者も多分同レベルの患者さんだったはず。だから、混合病室にされたのは分かっている。そして、同室になった女性は2人ともかなり高齢で自分で動くことができない患者さん。
その患者さんの裸を見て、夫や同室の男性が元気が出るというのか。その言葉は同室になった4人全員に対して失礼極まりない言葉だった。不謹慎としか言いようがない。
それに加え、スタッフはもちろん注意してカーテンを閉めている様子はなかった。
私は同じ医療に携わる者として腹が立って仕方がなかった。でも、言えなかった。
今まで母や父、義父の入院中に感じたことはたくさんあった。看護師の言動で患者さんやご家族に少しでも辛い思いをさせないようにと、それを自分のスタッフに伝えるようにしてきた。
でも、仕事を辞めた今では、トトさんが感じたこと、自分が夫の入院中に感じたことを伝える術が残念なことになくなってしまった。
でも、このブログで書くこと、まだ現役で頑張っている信頼できるスタッフに伝えることだけはできる。
今日はトトさんのブログを読んで、そんなことを思いながら書いてみた。まだまだ、いっぱい伝えたいことはあるけれど・・・