今日、医療法や介護保険法の改正案を一本化した地域医療・介護総合確保推進法案が参議院本会議で可決、成立した。
先週、我家の購読紙には「縮む介護保険」という特集記事が3回に亘って掲載された。そして、昨日のNHKクローズアップ現代は「介護で学校に行けない若者たちの悲鳴・・・」と題した放送内容だった。
「介護保険で使うお金を抑えなければ制度が続かない」そんな危機感が改正の背景にあるという。それはそうだと思う。だけど、医療では在宅を推し進め、在宅介護は縮小させる。そのうえ、消費税もあげる。それではあまりにも酷く、悲しすぎるではないか。もちろん財源がなければ制度自体が続けられないことは分かっているけれど・・・
地域医療・介護推進法では、今後、特養への新規入居は原則として「要介護3」以上の人に限られる。一応原則ではあるけれど、それ以下の介護度ではまず入居することはできないだろう。入居できない人たちに対して支援はできるだろうか。
そして、要支援の人を対象にしたサービスのうち、訪問介護と通所介護(デイサービス)が、来年4月から市町村の地域支援事業に段階的に移される。今は国がサービス料金や人員、運営基準を決めているが、今後は市町村が地域の実情に応じて独自に決めることになる。住んでいる地域によって介護の質もお金も差が出てくるということだ。
後は、介護サービスを利用する際の自己負担や、65歳以上の人が支払う保険料などが変わる。ま、所得に応じてということだけれど。でも、その所得は世帯の所得ではなく個人単位のため、新聞を読む限り不公平が生まれそうだ。それに所得の線引きが必要とはいえ、年金収入で年280万円以上だ。それは65歳以上の上位20%にあたる所得だという。その人たちは現在の1割負担から2割に上がる。預貯金がある人たちはいいかもしれないけれど、そうでなければ、サービスを受けることができなるかもしれない。
介護が必要な人を抱えた家族はさまざまだ。
一人暮らしの人。高齢の夫婦世帯。若者が一人で介護を担っている家族・・・
一人暮らしの要支援の人は地域の手助けが受けられるだろうか。高齢の夫婦二人の世帯で、夫の収入が280万円だとしたらサービス料が2割負担になる。今のままのサービスを続けて受けることができるだろうか。二人して孤独死なんてことにならなければいいけれど。一人で家族の介護をしなければならない若者に対する支援はあるのか。仕事を続けられずに、暗闇の中で孤独に陥り、将来を悲観することはないだろうか。等など、いろんなことが頭の中を駆け巡る。
介護保険を利用すると、今でもお金がかかる。お金がなければサービスを受けることはできないのだ。
この間から新聞やテレビを見ていて思うことは、介護する人たち、される人たちが十分な支援を受けられるような世の中であって欲しいということだ。
今日成立した医療・介護総合推進法には期待できそうもないけれど。