えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

言葉づかいと化粧について

この間、看護学校の同級生Mちゃんは満期になった預貯金の手続きをするために銀行へ行って来たそうだ。

その時、女性行員二人の接遇がとても気になったとメールに書いてあった。

初めに対応した行員はMちゃんに対し、まるで子どものように、あるいは認知症になりかけている人のように接したという。

Mちゃんに話す時「です、ます調」ではなく「うん、そうそう。そうなんだ」とか「あ、そう。違うんだ」とか「うん、それで良いよ」というようなため口で、しかも甘ったるい声でゆっくりと噛み含めるように話したそうだ。

Mちゃんは「いい大人にこういう話し方はないだろう」と思ったけれど、そのまま聞き流したという。

そしてもう一人、窓口の女性行員は言葉づかいは良かったけれど、厚化粧でつけまつ毛が凄かったと。

Mちゃんは銀行員は薄化粧で清潔感をモットーにしていると思っていたけれど「現代では美的感覚も変わってきたのかなと思った」と書いてあった。

そうは書いてあったけれど、絶対に見ただけで不愉快になるほどの化粧だったのだろうと、Mちゃんの気持ちが伝わってきた。

まあ、化粧に関しては自分の目で見たわけではないのでどの程度だったのか分からないし、どう思うかも分からない。だけど、言葉づかいに関しては聞いただけでむかむかと腹が立ってきた。

 

そして、私も勤めていた頃のことを思い出した。

看護師の中にもいるのだ。ため口で患者さんに接したり、年長者に対して失礼な言葉づかいで接するスッタッフが。

もちろん、時と場合によってはため口でもいい場合や、ため口の方がいい場合もある。

だけど年長者に対しては、子どもに接するような言葉づかいはものすごく失礼なことだと思っている。

 

ある日、40代半ばのKさんが80代ぐらいの男性患者さんのトイレ介助をしていた。

患者さんの病名は忘れてしまったけれど、処置室前の多目的トイレを使う患者さんだった。その時、車いすで患者さんを誘導したKさんの声が廊下まで聞こえてきた。

「えらいじゃん。できたじゃん。えらい、えらい、えらかったね~」と。まるで小さな子どもを褒めるように、しかも甘ったるい声で言っていたのだ。

私は廊下で聞いていて患者さんに申し訳ない気がした。

そして、高齢と病気のために自分でトイレに行けないだけの患者さんに対し、失礼極まりない言葉づかいだと思ったら情けなかった。

その後、患者さんから苦情は聞かれなかったので直接お詫びすることはしなかったけれど、立場上Kさんをカンファレンスルームに呼んで注意をしたことがある。

 

化粧も同じように気になるスタッフがいた。

小柄で色白でかわいい20代後半のKKさんは目の化粧だけがきつかった。つけまつ毛を付け、アイラインをしっかり引いた目元はそれだけで厚化粧を感じさせた。私はそんなことをしない方がよっぽどかわいいと思っていた。

そのKKさんは患者さんからとても慕われていたし、評判がよかった。仕事はできたし、思いやりもあった。同僚からも信頼され、私も彼女の仕事を信頼していた。

化粧に関しては苦情もなかったし、そのことにふれる患者さんもいなかった。だから、私はそのことで彼女を注意することはしなかった。

病院では接遇に関するアンケートを年2回行っていた。自己評価を行い、その後他者評価 をし、本人に結果を戻す。その中に化粧の項目もあったけれど、彼女の評価は覚えがない。まあ、化粧に関しては実害がなければいいということだと思っている。

それより、態度と言葉づかい。仕事に向き合う姿勢だろうと。

もちろん、化粧も不快感を感じさせ、苦情が出るようではいけないけれど・・・