えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

複雑な思い

朝まで残っていた雨は上がったものの、今日は風が強く寒い1日でした。

こんな日は夫の患側の手足が固く、真冬の時ほどではないけれど、動きが悪いような気がします。多分、血液循環が悪いのでしょうね。

今日は晴れてきたとはいえ、日曜日なので遠出はしたくないし、散歩には寒すぎる。だから、暖かい服装をして、暖房も入れ、家でのんびり過ごすことにしました。

そうはいっても通常の家事仕事の他には新聞を読むこと、テレビを観ること、録画してある番組を観ること、本を読むこと、CDを聴くことぐらいしかすることはありません。夫の自主リハや洗髪、手浴なんかをしてあげればいいのにね・・・

でも、何にもせずに過ごす、そんな日曜日も悪くないのかも知れないとも思いはじめ、CDを聴きながら、まずは新聞を読み始めました。

読んでしまった新聞を片付けようとして、そういえば・・・

と、数日前に読んだ「三河版」の記事を思い出したのです。読んだその時には何だか複雑な気持ちになったのに忘れてしまっていた記事。

それは大手自動車部品メーカーの新人社員が本社周辺の清掃活動をしながら、車いすに乗ってバリアフリーの現状を調べたというもので、写真入りの記事でした。その会社では2007年から地域の清掃活動を続けていて、2年前からはバリアフリーマップを作って地元の公民館などに展示しているそうです。

そして、その日も地域住民とともにごみを拾い集め、交代で車いすに乗って段差や車輪がはまりそうなすき間などの場所を地図に書き込んだそうです。

多分、新人社員と書いてあったので新人研修の一環として行った事なのでしょうね。いい話だと思います。でも、でも・・・

研修の一環としたら、研修の目的は何だったのでしょう? もちろん、研修は動機づけができれば十分だということは分かっています。えむこも勤務していた頃、新人研修の担当をしたり、教育担当として研修に関わる時期が長かったのでね。

この新聞記事が記事として読み手には不消化だったのかもしれません。

えむこが引っかかったのは「交代で車いすに乗って段差や車輪がはまりそうなすき間などの場所を地図に書き込んだ」と言う部分です。

車いすに乗って道を通るだけでも、車いすではどう感じるのかを理解してもらえると思います。段差で困ることも、車輪がはまって困ることも・・・

車いすに乗ったという経験者が増えることは嬉しいことには違いありません。でも、地図に書き込むだけでいいのでしょうか。

えむこだって偉そうなことは言えないけれど、夫が車いすになったからわかることがたくさんあるのです。

段差はもちろん、車輪がはまりそうな所も・・・

でも、介助していて悲しいことは車道と歩道との境界ブロックがある歩道で、そこが車いすを押せないぐらいの傾斜になっていることです。多分、排水のことが関係しているのだと思います。

分かったらやっぱり改善が必要なのだと思います。マップに書き込むだけでは何の解決にもならないと思うのです。それは「車いすで通ると危険ですよ。通らない方がいいですよ」と言っているにすぎないと思うのです。それにマップすら見ることもできない人がいるかもしれないのだから・・・

「この会社はいいことをしてる」という善意の記事だと思います。そして、それは事実だとも思います。でも、えむことしてはやっぱり複雑な思いになってしまう善意の新聞記事だったのですよね。

車いすの生活を余儀なくされた夫と暮らすえむこにとっては、危険だと思ったらマップに書き込むだけではなく、役所に提言するとか、他の手立てを考えて行動した記事ならば、複雑な思いにはならなかったと思うのですが・・・