暦の上では立秋というのに、今日は猛暑。
こんな日はたとえフリーの日とはいえ、家でじっとしているに限ります。まあ、出かけたいところもなかったということですが。
それでも、何にもしないのもつまらないので、夫に「絵を描かない?」と誘ってみました。
実は、この間Eさんから頂いたかぼちゃ、夫がその気になったらすぐに描けるようにと、まだ食べないで、机の上に置いておいたのです。
夫は珍しく、すぐに首を縦に頷きました。いい返事があれば、私の支度はスピーディーですよ。すぐさま机の上を片付けて、真っ白い紙を敷き、ハガキを乗せ、墨を磨り、筆洗いに水を入れ、絵の具と筆をセットする・・・
でも、夫はなかなか描きはじめません。こういう時、私は気が短いのでちょっとイライラしてくるけれど、そこは顔には出さず、じっと我慢です。そると、しばらくして手でかぼちゃを半分に切る動作をするのです。
「半分に切るってこと?」と聞くと、頷いたので、夫の希望通りの画題になるよう切ってきました。
それで、描いた絵がこちらです。
他人が見たら「なにこれ?」と思うかもしれないけれど、私にとっては最高です。
しかも、今回は収穫があったのですよね。
夫は脳出血の後遺症でたくさんの高次脳機能障害が残り、筆の使い方をはじめ、絵を描く動作も以前のようにはできません。もちろん今だって、以前のようには描けません。
でも、今日は筆に墨を含ませる動作、色を付ける時に使うティッシュペーパーの使い方が以前の動作を感じさせるものだったのです。これは、絵の上手い下手は別として、かなり良くなったという証拠でもあると思います。そうなると、私としてはそれだけで、もう夫を褒めちぎりです。親バカならぬ女房バカというやつでしょうか・・・
笑っていただいてもいいのです。自分でも「本当にバカみたい」と思うのですから。でも、やっぱりすごく嬉しいことには違いありません。
夫が描き終えてから「み」の消しゴム印を押し、スキャナーで取込みハガキに印刷してみました。
原画のようには色が出ないけれど、明日は早速、Eさんにこのハガキで残暑見舞いを出そうと思います。きっと喜んでくれると思うから。
そして、できれば「うんでも、すんでもない」息子たちにも出したいと思っているのです。親のことも忘れないように・・・