えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

アルコールはもうやめよう

私の父はお酒が大好きだった。でも、4人兄弟で飲めたのは父だけ。

ビールでもウィスキーでもお酒なら何でも飲んだけれど、一番好きだったのは日本酒だった。

毎晩、夕食になると「お銚子一本、お願い」と母にねだり、その一本を飲み終えると「もう一本お願い」と言い、そしてまたもう一本と、多い時は3本ぐらい飲んでいた。

父の酒は穏やかで、飲むといつもごきげんだった。そして、すぐにごろっとなって寝てしまう。

私はそんな父のお酒が嫌いではなかったけれど、母はどう思っていたのだろう。「もうやめたら」という言葉は聞いても、怒ったりケンカしたり、私に愚痴ることもなかったので、母の気持ちは未だに分からないままだ。

自営業の両親は母が先に仕事を終え、夕食の準備に取り掛かった。そして、父もまた仕事のきりをつけてほどなく上がった。

夕食が済むと、母は台所の片づけを終え、また仕事に戻り、毎日11時までは仕事をしていた。その間、酒を飲んだ父は居間でいびきをかいて寝ていた。だから、母はきっと嫌だったのだと思っている。

反対に、母は全くお酒が飲めなかった。4人兄弟で唯一飲めたのは兄一人。母は薄めた梅酒をお猪口に一杯飲んだだけでも顔は真っ赤になり、心臓が踊って寝込んでしまうぐらいだった。

私は小さい頃から母にそっくりだと言われていた。だから、お酒が飲めるなんて思ったこともなかった。就職してからお酒の席に出ることがあっても「私、飲めないのです」と断って、お酒を飲むことはなかった。

それが「自分はお酒が飲める」と気付いたのは23歳の頃。

母方の従兄弟がお寿司屋さんに連れて行ってくれた時、ビールを勧められた。いつものように「飲めない」と言うと、それでも「いいから一口だけ飲め」と言われ、恐る恐る口にした。今度は「ビールはもっとぐびぐびっと飲むものだ」と言われ、言われるままに飲んでみた。そうしたら飲めたし、おいしいと感じたのだ。

そりゃあ、両親から生まれたのだから、母親にだけ似るなんてことはないはずだけど、こんなところが父親に似ているなんてちょっと驚きだった。

それからは、若かったこともあり、有りと有らゆるお酒を飲んだ。どのお酒を飲んでも顔が赤くなることも、酔い潰れることもなかったけれど、私はビールが一番好きだった。

私はそんな家庭で育ったから、結婚した当時は男が家で晩酌するのが当たり前だと思っていた。だけど、夫の育った家庭は違っていた。両親はお酒が飲めなかったから、晩酌の習慣はなかったのだ。だから、当時、家でお酒を飲むことはなかった。

それが、徐々に飲むようになり、子どもが独立してからは、しょっちゅう二人で晩酌をするようになった。

でも、夫が倒れてからは、夫は欲しがらないし、私も飲まないようにしてきた。「夫が倒れたのはアルコールの影響が大きかったかも・・・」と思い続けていたし、「もしも私が飲んで、その時に夫の容態が悪くなったら・・・」と想像すると飲めなかったのだ。だから、1年以上、アルコールが入った飲物を口にすることはなかった。

それも、徐々に・・・

昨日のように、庭仕事をして疲れた時には飲むようになってきた。かと言って、夕食の時に飲むと夫の介助に影響が出そう。だから、夫が寝てから、湯上りに一人ビールを楽しんでいた。

以前はよっぽど飲んでも大丈夫だったこの身体。最近はどうもいけないのだ。

実は昨日、買い置きがないので夫が寝てから近所の自動販売機まで缶ビールを買いに行った。そこで1本にしておけばいいものを2本買ってきた。

それから温かいお風呂に入り、1人で飲み始めた。2本なんてあっという間に飲み干し、冷蔵庫に少しばかり残っていた赤ワインまで手を付けた。

それがいけなかったと思う。寝る前に調子が悪くなってしまったから。

今朝起きると、肩がパンパンに張って、ひどい頭痛。気持ちも悪いし、立っているのも辛い状態。

今日は振替休日だけど、デイケアはある。夫のことだけは何とか頑張って、送迎バスで出かけてもらった。

あとは、夫のベッドに潜り込み横になっていた。ひどい頭痛でなかなか寝られなかったけれど、知らず知らずに眠りに落ち、目が覚めたらもう13時過ぎだった。4時間ぐらい寝ていたのだと思う。起きた時、肩はまだ凝っていたけれど、頭痛は治まり、立っていても大丈夫だった。

朝は水すら受けつけなかったけれど、おかゆを作って食べてみた。今度はのどを通ったのでちょっと安心した。

それで、今日は1日、何もせずに、家でゴロゴロしていた。それでもまだ本調子ではない。自業自得だけれど・・・

こうなったのは、最近飲まなくなったせい? 年齢のせい? それともどこかが悪いのか? 原因は分からないけれど、もうアルコールはこりごりだ。酒飲みはそう言ってはまた飲むものだけど、ホントにこりごり。

だから今日は、温かいお風呂に入ってすぐに寝ることにする。