読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

自分の時間をつくるために

16日の新聞に「介護の日々 自分の時間がほしい」という62歳男性の投稿記事が載っていた。

記事によると、その方はアルツハイマー認知症で寝たきりの88歳の母さんと、脳梗塞後半身マヒと脳血管性の認知症状が残ってしまった55歳の妹さんを一人で在宅介護されている。お母さんの介護はもう8年にもおよび、妹さんは昨年脳梗塞で倒れたそうだ。

そして、お母さんはベッドの周りの草を刈れと言ってきかないし、妹さんはコーヒーでパジャマをぬらしても状況が理解できない状況。で、一人になってホッとする場所と時間が欲しいと言うのだ。そして、介護する自分が、2人を介護し続けるために大切なのは、自分の心身の状態をいかに平静に保つかであると言い、ショートステイなどを利用する方法もあるが、準備や送迎を思うと余計に疲れてしまうと書いてある。週に2、3時間自分だけになれる時間が欲しい。その間、ヘルパーさんがお母さんと妹さんの相手をしてくれれば、どんなにうれしいことだろうと。

その方は行政やケアマネに相談したそうだが「家族が休みたい」という理由だけでは認められづらいと言われたそうだ。先日、政府が決定した認知症対策の新たな国家戦略の柱の一つに介護者支援があったけれど、その方の欲しい支援とは違っていたと。そして、どうして数時間の休息を望む家族への在宅での支援が明確に制度化されないのだろうか、残念でならないと結んであった。

 

600字程度のこの投稿記事を読んだ時、私はきっと、ここには書ききれないほどの思いを抱えて暮らしてみえるだろうと想像し、とても胸が痛んだ。

 

私の場合

夫が倒れた時、夫の退院に合わせ私は退職することを決めた。そして退職したら夫の母も一緒に介護するつもりだった。職場の同僚は「一人で二人も介護するなんて無理だよ」と言ったけれど、それでも私は退職すればできると思っていたし、する決心もしていた。結果、義母は夫の退院前に発熱し入院。そして夫の退院時には家に戻れる状態ではなくなり、1か月後に亡くなってしまったのだけれど。

夫が退院して6か月間、訪問リハビリと訪問入浴サービスを利用し、あとは私一人で在宅介護をしていた。当時、デイサービスやデイケアなど通所サービスを利用しなかったのは、夫が倒れる前に「年をとってもデイサービスには行きたくない」と言っていたからだ。だけど美容院にも行けず、スーパーに行くのは週に1、2度ぐらい。夫の状態を見て出かけてもヒヤヒヤしながらの買物で、帰宅した時に転倒していることもあった。もちろん自分の自由時間などというものはなかった。一人だけの介護でもそうなのだ。だから「2、3時間でも自分の時間が欲しい」と言う気持ちは痛いほどよくわかる。我家の場合、6か月かけて夫を説得しデイケアに行くようになったけれど、それでももう少し自由になる時間が欲しいと思っているのだから。

  

今度は20日の新聞に、その記事を読んだ79歳男性の「介護サービス利用に踏み出して」という投稿記事が載っていた。

記事によると、その方もパーキンソン病で寝たきりの奥様を老老介護している。奥様の3度の食事は胃ろう。おむつ交換などをしていると、1日があっという間に終わってしまうという。自分の時間は限られているけれど、ヘルパーやデイサービスを利用しながら、やりくりして自分の時間を生み出しているそうだ。自分の時間は自分で作らなければならない。だから現在ある訪問看護やデイサービス、ショートステイなどのサービスを組み合わせ、まずは利用し、とにかく一歩踏み出してはいかがだろうかと書いてある。そして、政府は介護保険制度が破綻せぬよう在宅重視の改革を進めるというが、介護する人も自分の時間が確保できるなど、在宅介護が安心してできる制度の設計を切望すると結んでいた。

 

「自分の時間は自分で作らなければならない。だから、現在あるサービスを利用して、とにかく一歩踏み出したらいかがだろうか」と言う意見だ。

介護の日々 自分の時間がほしい」という投稿記事を書いた方も、きっとこの方の投稿を読んだと思う。

それぞれの家庭にはそれぞれの事情があり、考え方も違う。だから、読んでどう思ったのかは私にはわからない。

投稿した方が「ショートステイなどを利用する方法もあるが、準備や送迎を思うと余計に疲れてしまう」という裏にはひょっとしたらほかにも事情があるのかもしれない。例えば我家のように認知症になる前の言動とか、金銭的なこととか。記事にあるように、準備や送迎のことだけかもしれないけれど。だけど、介護される人もする人も一度だけの人生だ。数時間の自由もないのは悲しすぎる。

デイサービスやショートステイの送迎はどこの施設もたぶん家まで迎えに来てくれるはずだ。支度は着替えと、家での状態を連絡帳に数行書くだけだと思う。そうすれば、家事も含めてだけれど、7時間ぐらいは自分一人の時間が作れると思う。

だから私も「デイサービスとかショートステイとか、今ある介護サービスを利用してみたら・・・」と思ってしまう。

そして「お互い頑張ろう!!」と声をかけたい気持ちになっているのだ。