毎月、ケアマネが夫の介護サービス利用表(計画書)を作り、それを持ってきてくれる。そして、作成した計画書通りで良いかを確認し、夫のようすを見て、我家の状況も確認していく。
夫は現在、要介護4。介護保険で使うことができる限度額はひと月に30600単位だ。1単位が10円だから、1ヶ月に306000円まで利用でき、その1割が自己負担、残り9割が介護保険から支払われる。
今、夫が利用しているのは週2回のデイケアと、週3回の訪問リハビリ。そして、介護ベッドや車いす等の福祉用具のリースだ。月によって多少の違いがあるけれど、20000点ぐらい。要介護3だった時には限度額が26750点で、利用は19000点ぐらいだった。サービスを増やしているわけではないけれど、介護度が上がると、利用料も上がり、点数が上がるのだ。
ケアマネは時に「ショートステイとかは考えないで大丈夫ですか?」と聞いてくれる。だけど、私が今のままで大丈夫と言えば、それ以上に勧めることはない。
ところが昨日、新聞にこんな記事が載っていた。
高齢者が入る施設で、必要のない介護サービスまで提供する「お手盛り介護」が相次いでいるというもの。
国は多くのケアマネが所属する居宅介護支援事務所の運営基準を「利用者の立場で、特定の事業者に不当に偏らず公正中立」と定めている。
だけど、実情は、事業者に寄り添う「ひもつきケアマネ」になりかねない環境に置かれているという。
本来は必要ないサービスでも利用させれば、9割は介護保険から支払われるわけだから、事業所の言うがまま限度額いっぱいのサービスを組むのだとか。そうしなければ事業所に所属するケアマネとして働けなくなる現状もあるようだ。
事業所だって、慈善事業ではないのだから利益が上がらなければ立ち行かないかもしれない。だけど、これではただでさえパンクしそうな介護保険は完全にパンクしてしまう。
2025年65歳以上が3割を超えるという。
その仲間入りする私は老人介護のありかたを考えてしまう。
国の思惑と介護の現場と利用者とがどうしたらいい方向に向かうだろうかと。
そして私たちに介護が必要になった時、必要な介護が必要なだけ受けられるだろうかと今でも心配している。
介護も医療も受けることなく逝けたらいいのだけれど。