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えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

「変らないで」と言いたいけれど

4月最後の火曜日のこと。

訪問リハビリの時、担当理学療法士のYさんから「自分の仕事上の役割が少し変わることになり、5月の半ばから担当が変わることになります」と告げられた。私は平静を装い「分かりました」と答えたものの、残念で、残念で、何だか寂しいやら悲しいやらでものすごくショックだった。

 

夫は2010年9月末に脳出血で倒れ、5年と7か月が過ぎた。6か月間の入院を経て退院したのが2011年4月5日。すぐに介護サービスを受け始めたので、あれからもう5年と1か月だ。

 

回復期リハビリ病院入院中の2011年1月半ばに介護申請を行い、ケアマネが決まった。その時のケアマネはベテランといわれていた人で、私の希望を聞き、週3回の訪問リハビリと週2回の訪問入浴、そして介護ベッドや車いすのリース含めたケアプランを立てた。

そのケアマネも昨年、施設の都合で新しい人と変更になった。元々施設に勤めていた人がケアマネの試験に合格し、各ケアマネが受け持っている人の中から一番問題がない人を新しい人に受け持ってもらうことになったからという理由で。その白羽の矢に当たったのが夫だった。仕方がないこととはいえ、それでベテランから新人ケアマネに変わったのだ。

 

訪問リハビリは退院と同時に始め、最初から週3回行っている。その担当者も今年の初めに3人のうち2人が変わったばかりだ。それがまた変われば総入れ替えのようなものだ。せっかく築き上げてきた信頼関係はまた一からやり直しになってしまう。

 

初め、火曜日はYさん、金曜日と土曜日はSさんで、1年ぐらい経ったとき、土曜日がSさんからOさんに変更になった。

YさんもSさんもたぶん30代で、男性の理学療法士さん。Oさんは多分20代で、女性の理学療法士さん。そして、Yさんには当時2才ぐらいの女の子が1人いて、昨年2人目の女の子が生まれた。Sさんは夏はサーフィン、冬はスノボ、そして旅行を楽しむ独身貴族。Oさんは当時独身で、昨年結婚された。小柄で見るからに華奢なかわいらしい方だった。

 

3人とも我家とは仕事上の付き合いなので私から私的なことを聞くことはしなかった。それでも、Yさんの実家は〇〇県でお母さんは私と同じ看護師だとか、Sさんのお父さんは夫と同じ年だとか、Oさんの実家は〇〇県だとか・・・、毎週40分間のかかわりの中で知らず知らずのうちに個人的なことも話すようになり、よい関係が築かれていったと思っている。

 

リハビリの方ももちろんのこと、Sさんは歩行訓練を開始してくれたり、装具の装着の練習を組み入れてくれたり、夏場には家でシャワー浴をさせてあげたいと言う私の希望にどうしたらうまくできるか一緒に考えてくれたり、シャワーチェアーの購入の相談にも乗ってくれた。そして、Sさんが旅行に行ったあとには夫が興味を持ちそうな旅の写真を夫自身にスマホを触らせ見せてくれたりもした。おかげで今は私がタブレットに入れた夫が倒れる前に描いた絵手紙を自分で操作して見ることができるようになった。まあ、時々変な画面が出てしまい私に見てくれと差し出すことはあるけれど。

 

Yさんは歩行訓練の達人だ。それだけではなく何事もエビデンスに基づききちんと説明しながら行ってくれる。同僚たちの目からは厳しく見えることがあるようだけれど、私にはとても分かりやすく、夫に生かすことができると常々思っていた。それに訪問リハビリを始めた当初、倒れる前の夫が絵を描くことが好きだったと知ると、リハビリの最後の10分間を絵を描く時間に当ててくれた。その頃の夫は左手で筆を持つこともできない状態だったのだけれど。筆はすぐに持てるようになっても右半側無視と言う高次脳機能障害があった夫は塗り絵を行ってもきれいに右半分を塗り残すような状態だった。それを施設の作業療法士さんに相談しながら毎週絵の時間を設けてくれたおかげで右半側無視も改善され、また絵が描けるようになったとだと思っている。

 

Oさんは見た目40kgぐらいしかなさそうな華奢な体にもかかわらず、70kgもある夫の歩行訓練もSさんやYさんと同じように行ってくれた。15㎝はある玄関の上がり框の上り下りはもちろんのこと、毎回の歩行距離は一番長かったかもしれない。

ただ、昨年結婚されたので近い将来妊娠によって訪問から離れる日が来るかもしれないと思っていた。だから、彼女の場合は実際にそうなっても残念だとは思わなかった。

 

Sさんが変わる時のことは以前に書いたとおりだ。

emukobb.hatenablog.com

 

Yさんから交代を告げられた時、Sさんが交代した時以上にショックだった。

リハビリはもちろんものすごく信頼していたけれど、それだけではなく仕事上のかかわりとは言え5年1か月という歳月を息子以上にかかわってきた人だから。

個人との契約ではなく、施設との契約なので担当者の交代は仕方がないことだとわかっている。だけど、ここ半年間という短い期間に総入れ替えとは悲しすぎる。本当は「変わらないで」と声に出して言いたかったけれどぐっとこらえた。今もだけれど・・・

 

今回の交代で新しい理学療法士はすべて女性になった。金曜日・土曜日の担当者は1月からなので5か月が経つ。今まで歩行訓練は室内歩行だけだったけれど、全員女性になることで歩行訓練が後退しないようにとみんなで話しあったと言い、玄関の上がり框の上り下りの訓練も始めてくれた。みんないい方たちばかりだ。だけど、以前のようにツーカーというわけにはいかない。

新しい人たちがイヤというわけではないけれど「やっぱりYさんが良かったなあ・・・」と、いつまでも未練がましく思っている。