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えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

お別れ

人の世は無情なもので、自分の体が思うようにならなくなったからといって

いくら迎えが来てほしいと願っても簡単に逝くことはできない。そうかと思えば、さっきまで元気だった人があっという間に逝ってしまうことがある。

 

2週間ほど前、一人暮らしの男性が自宅で亡くなっているのを発見された。いわゆるヒートショックだったようだ。アパートに住む彼の部屋から階下に水漏れし、それで発見された。当然、警察が介入し、検死後遺体は警察に安置された。

警察が身元を調べ、子どもに連絡をしようと他人になった人に電話をした。だけど、他人になった人はそれを拒み、代わりに彼の身内の電話番号を教えた。

 

彼の身内は警察から事情を聞いても子どもがいる彼を引き取る義務はない。

他人になった人は妻子から彼を奪い、2人の子をもうけ、子どもが大きくなったらぽいと捨てた。それでも、彼は子どもたちが18歳過ぎても大学を卒業するまでは学費などを支払っていた。そして、彼が身内のところに行けない気持ちにさせておきながら、最後の仕打ちはこれか。そう思うと理不尽だと思う。もちろん、それは身内の気持ちであって、相手には相手の言い分があることは分かっている。(夫婦のことは身内であっても口出ししてはいけないし、片方だけが悪いということは絶対にないと承知の上)それでも、身内にとってはいくらいろんなことがあったとしても、喧嘩をしたわけでも嫌いになったわけでもなく、心の内では大事な人には違いはない。なので、かわいそうだと引き取った。そして、たった4人で彼を見送った。

 

その日は朝からしとしとと寂しい雨が降っていた。「きっとなみだ雨だ・・・」と思っていると、そのうち夜中になり、今度は雷を交えた激しい雨に変わり、いつまでも降り続いた。まるで彼が慟哭しているかのように。

まあ、そう思うのは見送った身内だけで、逝ってしまった彼は長患いすることもなく、これで良かったと思っているかもしれないけれど。