えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

元気な75歳

T子さんは現在75歳。あと3ケ月すると76歳になるという。

15歳で山形県の実家を出て、東京で看護学校の寮に入った。そして、20代の初めに三河の人と縁があり結婚。こちらで暮らすようになった。

 

私がT子さんと知り合ったのは、彼女が35歳で再就職した年。もう40年も前のことになる。だけど、当時は挨拶をする程度で話しをしたことがないまま私は退職した。

それが、25年ぐらい前にパートとして再就職してから、同じ勤務場所だったこともあり、ものすごく親しくなったのだ。

 

T子さんは5人兄弟の末っ子で、すでにお姉さん2人を亡くしている。お兄さんは82歳。もう一人のお姉さんは78歳になるという。

だからなのか、去年からずっと「もう兄弟は長時間列車に乗るのは厳しい年齢だから、今のうちに一度山形に行って来たい」と言っていた。

その念願が叶い、先週の月曜日から4泊5日で山形の実家に行くことができた。

T子さんは仲間とあちこち出かけているけれど、遠距離を一人で行くことにかなりの不安を持っていたようだ。

最近同居し始めたばかりの息子さんご夫婦は「行って来たら・・・」と勧めてくれたという。だけど「荷物は宅配便で送るようにして、持って行かないでほしい」とか「肩掛けのバッグ一つで出かけ、両手が使えるようにしてね」みたいにあれこれ言われ、道中のことを心配されたという。

 

75歳というと、いくら元気でも、電車に乗り慣れていても、周りはやっぱり心配するものらしい。子ども世代にとって親は年寄りそのものなのだろうか。

 

今日は山形から帰ってきたT子さんから電話がかかってくるような気がしていた。かかってくるとしたら多分9時30分ごろ。遅くても10時までにはあるだろうと思っていた。

すると10時頃、電話ではなく「元気で行ってきたよ。ふだんと何にも変わりなかったからね」と、お土産を持って来てくれた。

 

何時間ものあいだ電車に揺られ、お姉さんの家で1泊、お兄さんの家で1泊、旅館で1泊、もう一度お姉さんの家で1泊の4泊5日。

「みんなでおしゃべりをしどうしだったから声がかれてしまったよ」といいながら、豪快に笑うT子さん。元気な75歳だ。

私より10歳以上年上だけど、ずっと元気でいてほしいと思う。

そして、私も肖りたいと思うけれど、10年後にそんなに元気でいられるだろうか。

それまで生きていられるかどうかも分からないけれど・・・