えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

花のちから

何がというわけでもなく、心がわさわさと落ち着かないときがある。そんな時は庭に出て、先ずは深呼吸をする。そして、たいして広い庭でも、きれいに整えた庭でもないけれど、ぐるっと一回りしてみる。それだけで何となく落ち着いてくることがあるからだ。それは真冬の何にもない時でも同じなのだけれど、今の時期は芽吹きや知らないうちに咲いている花を見つけるだけでもかなり心は癒される。

 

この間は10㎝にも満たないぐらいのすみれを見つけた。

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あんまりかわいくてしばらくしゃがみこんで眺めていた。

 

洗濯干し場の近くではユスラウメが満開だった。

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このところお天気が悪く、軒に干していたから気づかなかったようだ。(ここ数日はお天気がいいけれど、これは数日前に書いて下書き保存をしてあったもの)

 

隅っこにはカラスノエンドウがはびこっていた。

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花を見てしまうとやっぱりかわいらしくて、愛おしくて、すぐには引っこ抜いてしまえない。

 

タンポポは冬場でも咲いているけれど、春のタンポポはとっても元気がいいような気がする。「タンポポは義父が好きだったなあ・・・」などと、思いにふける。

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これも綿毛になったら大変だと思うけれど、やっぱり引っこ抜けない。

 

平常心の時だって、花を眺めると明るい気持ちになってくる。 

この間ゴミ出しに行った時、公園のフェンスに絡みつくように咲いているアケビの花を見つけた。見つけたと言っても、ここにアケビがあるのは昨年気づいたのだけれど。 

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ゴミ出しの途中なので、夫をひとり家で待たせていると思うと、いくら近くだと言ってもゆっくり眺めているわけにはいかない。だけど、何とも言えない色合いにしばしうっとり見とれてしまった。

 

花を眺めるだけで、穏やかな気持ちになったり、元気が出たり、明るくなったりするのだから「花のちからってすごいなあ」と思う。

 

だけど、夫が倒れた当時は花が咲いていることすら気づかなかった。あの頃は抜け出すことができない真っ暗闇の中に入り込んでしまったような気持ちでいつも考え事をしながら下ばかり向いていた。半年の入院生活を経て退院してからも1年ぐらい花は目にも入らなかったと思う。

 

今は不自由にはなってしまったけれど、こうして花を眺めては元気を貰い「花のちからってすごいなあ」と思いながら穏やかな生活を送っている。だから花を眺めるたびに、あの頃のことを思い出し、今こうした生活が送れることに感謝せずにはいられない。