えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

あれから8年

9月29日 土曜日 雨 大型の台風24号がこちらに向かってきている。

8年前の9月29日、そう、夫が倒れたあの日は水曜日で晴れだった。

 

その時、私は定年退職をして1年目、同じ職場で再雇用として働いていた。再雇用だから働ける時間は限られていて、私の場合は土日の他に木曜日もお休みだった。

 

夫は自宅で仕事をしながら母親の介護をしていた。そのころ、仕事は重なり、夜は母のトイレ介助で2、3回は起きていた。その上、離れの改修を業者に依頼していて(瓦屋根からガルバニウム鋼板の瓦棒へ、外壁もガルバニウム鋼板にし、サッシもすべて交換するというもの)その管理もしていた。内装に関しては夫が時間を見つけては少しづつやってくれていた。

夫は母親大好き、仕事大好き、DIY大好きだったこともあり、かなり忙しかったにもかかわらず、その忙しさは好きなことばかりだったので充実していたのだと思う。

私が代わりにできることと言ったら介護を手伝うことぐらいだ。それで、休みの前日の夜は「私がおかあさんの部屋で寝ようか」と言っても「自分の母親だから自分でやる」と言い、介護も一手に引き受けていた。だから、気づかないうちに疲れが蓄積していたのだろう。高血圧で内服治療をしていたにもかかわらず、血圧が一気に上昇し、脳出血を発症してしまった。

 

当時は、看護師でありながら防げなかった自分を責め、夫に申し訳なかったと、後悔ばかりしていた。そして毎日、枯れるほどの涙を流した。いくら後悔しても涙を流しても元に戻れないことは分かっていても、後悔も涙も治まることはなく、暗闇に入ったまましばらく抜け出せないでいた。

 

あれからもう8年になる。その間、いろんなことがあった。その度に、いろんなことを感じながら暮らしてきた。

夫も私も不自由にはなったけれど、今はもう涙を流すことはなくなったし、不幸だとも思っていない。それより、命があって本当に良かったと心の底から思っている。毎日一緒に暮らし、ささやかなことで笑い合い、話しかければ言葉が話せなくても反応はある。夫が入院中は風が吹いてガタガタと音がしても怖かったけれど、今はそんなこともないのだから。

とはいえ、老老介護の身だ。これから先、どうなるのか不安がないわけではない。だけど、少しでも長く、元気で、今のこの生活を続けていけるようにしたいと思っている。

それには先ず、私自身が健康でいられるよう努力しないと・・・

手づくりが好き

手づくりが好きなことは以前にも書いた。自分で作るのもそうだけれど、人が作ったものを見るのも好き。作っている工程を見るのはもっと好きかもしれない。

友人にも手作りが好きな人が何人かいて、その人と手作りの作品展を見に行くのも好きだ。もちろん、都合がつかなければ一人でも見に行く。

 

特に好きなのは布小物。ポーチや巾着、バッグは大好き。刺繍や刺し子も好きだ。

とはいえ、自分ではうまく作れない。だけど、材料を見ると、ついつい買ってしまう。

手芸本も然り。で、夫が寝てしまうと、テレビを見ながらそんな本を眺めたり、材料を触ったりして楽しんでいる。

そして、ネットでも手作りをしている方のブログを見たり、作り方のUチューブ、刺しゅうや刺し子、ハンドメイドのインスタ、手作りサイトのミンネやクリーマも毎日のように見ている。

 

ポーチや巾着などの布小物が好きなのだけれど、最近は夜な夜な、チクチクと刺し子ばかりをしている。

 

少し前、刺し子のインスタを眺めていて、100均のセリアにもミニの刺し子布(水で消える図柄が印刷してある布)があることを知った。で、この前からそれを探していて、4軒目のセリアでやっと見つけた。

 

セリアの刺し子布は5種類あるらしい。でも、そこにあったのは4種類だけ。その中の2種類は同じものがあり、全部で6枚あった。滅多に行かないところだったので「6枚買っても手芸店でちゃんとした刺し子布を1枚と刺し子糸を一房買うぐらいの値段だ」と思い、結局全部買い占めてきた。

ところが家に帰って封を開けてみると、想像以上に小さいし、薄いしで、ちょっとがっかりだった。でもまあ、練習のつもりで買ったのだから文句はないけれど。

 

そして、先ずは井桁という図柄を2枚刺した。やっぱり、ハンカチにしては小さいし、コースターには大きいし、中途半端なサイズだ。

それなら鍋つかみにしたらどうだろうか、それとも小さな花瓶敷は・・・と思いながら、こんな感じに裏をつけてみた。

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深緑の糸で刺したので裏も色が分かりにくいけれどグリーン系の布を合わせてみた。

刺し方はヘタクソだけど、写真よりはちょっといい感じだ。

 

明日はふれあい音楽会で、一緒に行く友人も手作りが大好きな人だ。音楽会が終わったら、いつものように手作り談義に花が咲くと思う。

彼女はこの間からウールの布で2人分のチュニックを作っている。たぶん、明日には2枚とも出来上がっていると思う。1枚は布を提供した私の分で、もう一枚は作り手の彼女の分だ。だからこの刺し子、彼女にお礼のつもりで押し付けてくる予定でいる。迷惑な話かもしれないけれど。

時間が欲しい

今日は秋分の日の振り替え休日で世間はお休みだけれど、我家は通常通りだ。

夫はデイケアに行き、私はデイケアの日でないとできないことをやる。

 

先ずは気になって仕方がなかった庭仕事から。ナス以外の夏野菜はもうおしまいなので、周りの草を取りながら片付けた。

 

ノゲシがこんなに大きくなってしまった。

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花はかわいいのだけれど「ごめんなさい」して抜いた。

すぐ近くにはコスモスが咲いている。

何年か前、お隣からのこぼれ種で1株生え、それからは我家のこぼれ種から毎年咲くようになった。

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コスモスは大好きな花の一つだ。なんてかわいらしい花でしょう・・・
花も葉っぱもステキなのに、茎だけはちょっと・・・だけれど。

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こんな花を眺めながら野菜を片付け、支柱とネットと黒マルチを外し、来年も使えそうな支柱はきれいに洗って午後まで干しておいた。

 

ここまでやると、もう11時だ。汗だくになったのでシャワーを浴び、2度目の洗濯をし、午後から出かけるために、早目の昼食にした。一人のごはんはみすぼらしすぎて写真には撮れない。料理が好きな人なら一人でもちゃんと作るのでしょうが。

 

我家には一輪車が2台ある。一輪車といっても工事現場で使うようなこんなやつで、物を乗せるところが浅いものと深いものが1台づつ。(アフェリエイトをしているわけではないけど現物を見ると分かりやすいので張り付けておく) 

 これが重いものを運んだり、庭仕事をした後のごみ出しの時にもかなり便利だ。

それなのに、2台とも空気が漏れるようになり、入れてもすぐに漏れ、ケレップを交換してみてもダメだった。それで、一輪車が使えなくなってからはごみ袋を一回り小さなものに変え、1回に2袋までにして運んでいた。

でもやっぱり不便で、この間ホームセンターに行った時に聞いてみた。すると、タイヤだけの販売もあり、購入すれば古いタイヤは引き取ってくれるということだった。

なので、昼食後、タイヤを外し、ホームセンターへ買いに行った。

 

そして、出たついでに食材の買い出しと本屋さんへも行った。

 

帰宅するともう3時近かった。

洗った支柱を片付け、洗濯物を取り込み、片付け、アイロンをかけ、夕食の準備・・・

 

ああ、時間が欲しい。もっと、もっと、時間が欲しい。あったらあったでダラダラしてしまうだろうけれど・・・

シュウメイギクが咲き始めた

昨日は夫がデイケアに行く日だった。

夫が出かけたら1時間ぐらい庭仕事をして、それからあそこに行って、あれをして・・・と、前日から頭の中では予定がいっぱいだった。

 

それなのに、朝、夫はトイレから出られず送迎車の時間に間に合わなかった。

運転手さんも介護士さんも「少しぐらいなら待ってますよ」と言ってくれたけれど、そういう時はいつも30分ぐらいはダメなのだ。頭の中の予定はがたがたと崩れ去り、生理現象では仕方がないと思いながらも夫にけんか腰の物言いをして、送って行った。

 

一旦出かけると、急いで帰って庭仕事をしようという気にはならない。昨日も、帰りにホームセンターに寄り、ペンキや壁の穴を塞ぐパテや軍手等など、次の予定を考えながら必要なものを購入し、家に向かった。

 

ちょうど真ん中ぐらい戻ったところで友人から電話が入り、ランチと手作りの作家展に誘われた。その時のことはまた書くとして、午後からはとても楽しい時を過ごした。

 

だけど、庭のことは気になって仕方がない。コニシキソウがイライラするほどはびこってしまったし、夏野菜の片付けがまだしてないし・・・

 

今朝は起きるには少し早い中途半端な時間にトイレで起こされた。

トイレ介助を済ませると、夫は再度眠りについた。いつもの起きる時間を考えると、それから2時間は眠るだろうと思い、私は寝たい気持ちを抑え、起きて草取りをすることにした。

 

頑張って起き、草取りすること30分。ごみ出しもあるし、コーヒーも飲みたいし、夫がいつ目覚めるかわからないので、それ以上はやめておいた。

 

だけど、この間から咲きそうで、毎日眺めていたシュウメイギクがやっと1輪咲いているのを見つけ、しばらくは花を眺めて過ごした。

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なんだかシュウメイギクから「ご苦労さま」と言われたような気がして嬉しくなってきた。単純なわたし。

 

この写真の右側にも、左側にも何株かある。これからしばらく楽しめそうだ。

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早起きは三文の徳(得)。

早く起きなくても花は咲いているか・・・

時期が来れば必ず

この間の木曜日、友人から「友人が写真展に出品しているから 時間があったら行ってあげて」と言われた。

私は全く面識はないけれど、写真を見るのも好きだし、場所は車で10分もかからないところだったのでその足で見に行った。

 

写真展はその写真のお仲間で佐渡に行った時のもの。景色もあったけれど、佐渡のお花の写真が多く、どれもやさしくステキな写真だった。

 

見終わって、帰りがけにふと受付を見ると。真っ赤な彼岸花が挿してあり、それがちょっとステキだった。最近はどこにも出かけないので気が付かなかったけれど「もう彼岸花の時期なんだ・・・」と思い、見惚れてしまった。

 

我家には白い彼岸花がある。家に戻って見てみると、その時にはまだ固い蕾だった。

それが昨日咲き始めた。これは昨日の朝の状態。

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反対側の家の中から見るとこんな感じ。

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それが今朝はこんなに咲いていた。

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こちらも、反対側の家の中から眺めたところ。

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あっという間に見頃になった。赤い彼岸花もいいけれど、白もステキだ。

 

今年は猛暑続き。そして、少し落ち着いたと思ったら雨続き。

それでも、時期が来ればこうして必ず花が咲く。自然の力はすごいものだと本当に感心してしまう。

 

昨夜、お彼岸が来るからと、夫の姉がいつものようにお墓用の菊の花を届けてくれた。

彼岸の入りは20日だから、19日か20日まで待って、お墓参りに行こうと思っている。

身綺麗に整えて

木曜日の朝日新聞「東海歌壇」にこんな歌が載っていた。

 

介護士に愛されるよう身綺麗に夫整えて今朝も見送る

 

投稿したのは日進市の女性だ。

お年までは分からないけれど、おそらくご主人がデイサービスに行かれているのだろう。

 

私も夫を似たような思いでデイケアに送り出しているいる。私の場合は「介護士に愛されるよう・・・」ではなく「嫌われないように」なのだけれど。だから、この歌はとても心に響いてきた。

 

夫は倒れる前、出かける時には必ず自分でズボンやシャツにアイロンをかけ、着替えてから出かけていた。病院へ行くときには下着まで着替えていた。決して上等なものを身に着けたいわけではなく、洗濯してきれいなもの、しわしわでないものを身に着けたい。そうでないと恥ずかしいと思っていたからだ。

 

今はそうしたくても自分ではできない。だから、せめてデイケアに行くときには洗濯したばかりの下着とズボンとシャツを着てもらうようにしている。そして、デイケアでお風呂に入るときには朝着替えたばかりでも着替えを持っていく。

 

夫は自宅でお風呂に入れない。だから、デイケアでお風呂に入れてもらっている。だからといって家で何もしないわけではなく、デイケアに行かない日には全身清拭をしている。入浴時には洗髪もしてくれていると思うけれど、1週間に1度は家でも洗髪をするようにしている。足の爪、手の爪、耳掃除、鼻毛のチェックなど等、極力きれいにしてあげたいと思う。フケが出ないように、加齢臭がしないように、爪に垢が溜まっていないように・・・と。

そして、着替えを入れていく袋は毎回洗濯し、歯ブラシは帰宅したら洗い直し、乾燥させ、歯ブラシ、ハンドタオル、歯磨きを入れる袋は毎週洗濯し、きれいな状態で持たせている。

 

元気だった時には何もやってあげなかった。それどころか、私の方がやってもらうばかりだった。だから余計に、自分でできなくなった今は、私ができるだけきれいにしてあげなくては思っている。

 

介護士さんに愛されるよう・・・

介護士さんに嫌われないよう・・・

 

何日も同じリハビリパンツを穿いてくる人がいる。とか、着替えや歯磨き用具を薄汚れた袋に入れてくる人がいる。等など、職員からではなく、他の人から聞いたことがある。

夫が「汚くて触れたくもない」なんて思われたらかわいそうだ。だからというわけではないけれど、常に身綺麗にしてあげたいと思う。

 

今日も洗髪をした。

そして歌のように、明日も身綺麗に夫を整えてデイケアに送り出そうと思う。

楽しいこと

今年の夏は猛暑続きだった。そのため、月2回行われているふれあい音楽会は7月の2回目と、例年8月は行われないけれどけれど今年は8月も開催予定だった1回が中止、というか来年3月に延期になった。エアコンのない地区市民館の体育館のようなところで開催するのだから致し方のないことだと思うし、妥当な判断だったと思っている。けれど、ちょっと寂しくもあった。

 

そんなわけで、この間の水曜日は2か月ぶりの音楽会だった。

案内には「ギターとヴァイオリンで奏でる世界の音楽」 ~世界を旅する音楽~

スペイン、リベルタンゴアイリッシュパーティー、昭和歌謡メロディー、情熱大陸、他、とあり、奏者は初めての方たちだった。

 

「ヴァイオリンとギター」と聞いて、私はてっきりクラシックギターと普通のヴァイオリンだと思い込んでいた。ところがヴァイオリンがエレクトリックバイオリンというエレキバイオリンで、ギターはアコースティックギターだった。

ギターがアコースティックギターなのは想定内のことだけれど、今回はじめて見たエレクトリックヴァイオリンにはちょっと驚いた。奏者の説明によると、通常のヴァイオリンの弦は4本だけれど、エレキの方は5本あり、ビオラの音域まで出すことができるそうだ。2年ぐらい前にヤマハから発売され、幅広い音楽が演奏できるのでとても気に入っているのだとか。

私はどちらかというとピアノだったら電子ピアノよりグランドピアノの方が好き。ギターはクラシックギターアコースティックギターもどちらも良い。エレキギターは若いころには楽しめたけれど今はやわらかな音の方が好き。ヴァイオリンもやっぱりエレキより普通の方が音色は好きだと思った。

 

だけど、音楽会自体はとても楽しかった。

30代と思われる若い二人の奏者がサービス精神旺盛で、目いっぱい楽しませてくれた。途中、ウクレレの演奏もあったのだけれど、それもエレキ。そして、そのエレキウクレレベンチャーズの曲を演奏したのだ。ベンチャーズといえばあのテケテケテケテケ・・・・というやつ。私の年代ならば楽しめないわけはない。

そして、音楽会が終わるころには元気になったような気がした。私だけでなく、会場のみんなも笑顔で溢れていた。 

 

翌、木曜日は余韻を胸に草取りに精を出した。そんな時は庭の花も愛おしい。 

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萩にとまるシジミチョウも。

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キンカンにはトンボさん。これはウスバキトンボなのか、アキアカネなのか・・・

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 そして、その夜のうちに完成した刺し子の第8作目の二重枡。

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赤と緑。刺し子らしからぬ色で刺してみた。それも楽しい。

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 8作目ともなると、少しは上達したような気がする。自己満足だ。