えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

訪問リハビリの成果

夫は週3回、訪問リハビリを受けています。

火曜日のPT(理学療法士)はYさん。金曜日はSさん。土曜日はNさんです。

毎回違うPTですが、メインは(夫のリハビリ計画を立てるPT)はSさんで、夫の情報は3人で共有してくれています。

でも、リハビリの組み立ては少しづつ違っているのですよ。

もちろん、えむこは違っていていいと思っているのですが・・・

何故かというと、夫は高次脳機能障害があるので、多くの人とかかわることで、それぞれの人に対応できる能力も養われるような気がするからなのです。

 

夫は脳出血の後遺症で右片麻痺が残りました。

夫の場合、麻痺の種類は弛緩性麻痺で、発症からもう2年以上経っているので遷延性弛緩性麻痺だと思います。

上肢のことはまたの機会に書くとして・・・

退院時の右下肢の状態は全く力が入らず(動かない)、全廃という診断でした。

何の支えもなければ立つことはできないし、もちろん1歩たりとも歩くことはできません。

ベッド柵を持てば立つことはできるし、(少しの介助で)車いすへの移乗もできますけど・・・

でも、膝折れするので装具は欠かせないのです。

その装具は弛緩性の麻痺なので、しっかり固定できる金属支柱の短下肢装具を使い、室内で滑らないようにと靴も履いています。

そして、装具の装着や靴を履くことは、えむこの全面介助で行っているのです。

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そして、今日はSさんの訪問リハビリの日。

Sさんは去年の春頃から、装具の装着や靴を履く訓練をしてくれるようになりました。

でも、夫は右麻痺だけでなく、高次脳機能障害もあるのです。

失行とか、注意障害とか、遂行機能障害とか・・・

だから「ホントにできるようになるかしら・・・」と思っていたのです。

 

まずは健側の靴を履く。これは初めからできました。

次は装具を両足の間に置き、左手で右足を持ち上げ装具に入れる。

これがすごく難しいのです。右足は全く動かないのでかなり重いし、足をうまく持ち上げたと思ったら装具がいざってしまったり・・・

そのうち、どうしたらいいのか分からなくなって混乱してくるのです。

何度やっても上手くできません。

いつも、Sさんが途中から手助けして、やっと装具に足を入れることができるのです。

足が装具に入ったら、次はマジックテープをリングに通し、足を固定します。この部分は初めからスムーズにできましたね。

装具が装着できたら、今度はその上から靴を履くのですが、これがまた大変な作業なのです。

右手で装具の金属部分を持って、左の大腿部に右の下肢を上げるのですが、右足は自由がきかないし、かなり重いので大変です。

夫は上手くできないと他の方法で行おうとするけど、やっぱりできなくて、また混乱してしまう。

そこまでできたら、次は靴を持って、右足に履かせるのですが、なんせ右側がよく見えない。

注意障害もあるので右側に注意がいかないのです。

いつも、右足小指部分が引っかかって、どうしても靴が履けません。

 

春から夏頃まで、この訓練だけでおそらく10分ぐらいは使っていたような気がします。

前にも書いたけど、訪問リハビリは2単位で40分間なのです。

体温、脈拍、血圧等を測って、記録して・・・

残りは多分30分ぐらい。

その中での10分間は、正直えむこは何だかもったいないような気がした時期もあったのです。

 

でも、最近は・・・

遂行機能障害がある夫だけど「手順がしっかりわかってきた・・・」と感じるようになりましたし、右側の注意障害があるけど、右側にも注意がいくようになりました。

そして、Sさんとえむこの見守りの中では自分で装具を着け、靴が履けるようになったのです。

まだまだ、リハビリの時間だけで、それ以外はえむこにお任せ状態だけどね・・・

でも、すごい進歩ですよね。