えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

リハビリは次のステップへ

夫の訪問リハビリは週3回。3回とも違うPTがリハビリをしてくれている。

私たちが横浜から帰ってきて、今日が3回目なので、これで一巡したことになる。

横浜に行く前は子どもの家に上がれるようにと20㌢の段差を上り下りする訓練を取り入れてくれた。

だけど、それは今の夫にとってはレベルが高すぎる訓練だと思っている。もちろん、訓練したことで段差を降りる時の恐怖心は減少し、息子の家に行くための心の準備も整った。

結局は介助でも上がることができず、息子と二人で体を持ち上げることにはなったのだけれど。

 

火曜日のリハビリの時に「今後はどうしましょう。このまま20㌢の段差訓練を続けた方がいいですか」と聞かれた。

私は、介助なしでは1歩も歩くことができない夫のとって、20㌢の段差訓練は正直まだ早すぎると思っていた。それで「息子の所に行けたので今までのリハビリでいい」と伝えた。

 

夫と二人、自宅にいる時には介助方法が確立してきたのでほとんど困ることはない。

だけど、外出すると「こんなことができるともっと楽なのに・・・」と思うことがよくある。ま、だいたいはトイレのことなのだけれど。

今回もトイレのことばかりだった。

 

最近では多目的トイレがたくさんあるけれど、10個のうち8個ぐらいは右マヒの夫には使いづらいものなのだ。

右マヒの人が使いやすいトイレは便座に向かって右側に縦型の手すりがついているもの。反対に、便座に向かって左側に縦型の手すりがついているところはとても使いにくい。

 

右手が全く使えない夫は左手で手すりを持って立ちあがる。そして、回転して便座に座るのだけど、手すりのない側へは回転ができない。それで、私が夫の体を支え、手すりから手を放すように言うのだけれど、しっかりと握りしめたまま離せないのだ。それで、無理やり手を離し、夫の全体重を支えて介助をしている。全体重を支えたまま下着を下し便座に座らせ、用足しが済んだ後も全体重を支え、下着を上げる。そして車いすに座らせるのだが、これがけっこうな重労働なのだ。

それが反対側に手すりがあると、少ない介助量でスムーズに便座に移動できる。

だから夫も楽だけど、私もとっても楽なのだ。

 

多目的トイレはいろんな人が利用する。だから、万人に使いやすいトイレという訳にはいかない。もちろん、私は広いトイレがあるだけで十分有難いと思っている。

だけど、私の介助量にはかなりの違いがあるのだ。

 

その介助量を減らすために、横浜へはサイドウォーカーも4点杖も持って行った。

それを使えば回転できると思ったから。だけど、やっぱりうまくいかなかった。

そんな話をPTにすると「今度は方向転換をもっと取り入れましょう」と言ってくれた。

今でも歩行訓練の時に方向転換の訓練はしている。

だけど、やっぱり苦手みたいで、方向転換になるとPTの介助量が増えている。

 

リハビリの次のステップは方向転換だ。

意識的にリハビリに取り入れてもらえると、そのうちトイレでも4点杖を使って上手に回転ができるようになるかもしれない。

そうすれば私の介助量はかなり減少して楽になると思う。

夫には新たな目標に向かってもっともっと頑張ってもらおう。

褒めることがリハビリの効果を高めると聞くから、私は夫を褒めちぎりながら・・・