えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

嬉しかったこと二つ

昨日は結婚記念日だった。

もう40年。親兄弟よりも子どもたちよりもずっと長く同じ屋根の下で暮らしている。

夫が元気だったなら「おいしいものでも食べに行こうか」ということになるかもしれないけれど、今はそんな元気はない。だから記念日だからといって特に何をするわけではないけれど、何だか不思議な縁を思い、この40年を感慨深く思い出していた。

 

そんな昨日、うれしいことが2つあった。

 

私たちの記念日は夫の姉の誕生日でもある。

義母が亡くなり、夫が倒れてからの私たちの生活が落ち着くと、それまでと思うと義姉の足は我家から徐々に遠のいた。まあ、当然といったら当然のことなのだけれど。それでも、1、2か月に1度ぐらいはお仏壇をお参りがてら夫の顔を見に来てくれる。

昨日も「誕生日でお赤飯を炊いたから・・・」と言い、お赤飯とおすそ分けのお菓子を持って来てくれた。他にも、熱田神宮へ参拝に行ってきたからと夫にお守りを、私に犬の根付を買って来てくれた。

お赤飯は義姉の誕生日で炊いたとはいえ、勝手に私たちのお祝いだと思うことにしておいしくいただいた。ありがたいことだ。

 

もう一つは岡崎に住む夫の友人から電話があったこと。

岡崎と豊橋は近いようで遠い。会いたいと思ってもなかなか会えない。彼の実家は豊橋だけれど、親も兄弟も亡くなり今はお墓参りの時ぐらいしか豊橋に来る機会はなくなってしまった。それでも夫のことを気にかけてくれ、たまに電話をしてくれるのだ。

電話があると受話器を夫の耳元にあて、二人で彼の声を聞きながら話をする。夫は「おんなんなん・・・」としか声を発することはできないけれど、会話の内容に頷いたり笑ったりと嬉しそうだった。そして、私のことも褒めてくれ、お世辞だと分かっていても本当にうれしかった。何だか義姉と友人から結婚記念日のプレゼントをもらったような気がして。