えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

12年の時が過ぎ

2010年の9月29日、夫は脳出血を発症した。

あれからもう12年になる。信じられないような長い時間が過ぎ去り、倒れてからの日々のことを思い返すと本当に感慨深い。

発症当時は先のことを考えるとどうなるのだろうかと不安な気持ちでいっぱいだった。だけど、右半身まひで車いすの生活になり、失語症はじめ失行、失認、右半身注意障害などなど、沢山の障害が残ったとはいえ、命までは奪われなかったことをありがたいと思い、自宅で介護すると決めた。

 

6か月の入院生活を経て自宅に戻った当時、介護保険で訪問リハビリと訪問入浴を支援してもらったけれど、あとは二人だけの生活だった。

一番困ったのは買い物。それでも、当時は夜だけでなく、2時間近く昼寝をしたので近くのスーパーまでなら大急ぎで出かけることができた。それでも美容院には行けず不自由を我慢する生活だった。

 

退院後6か月が経ったころから週2回デイケアに通所するようになり、自由な時間ができた。安心して買い物や美容院には行けるようにはなったけれど庭仕事や片づけなど家のことに費やす時間ができたぐらいの感覚だった。

何年か経ち、週3回デイケアに通所するようになると友人と会うゆとりも出てきた。

ただ最近では起床時間は早くなり、就寝時間は遅くなり、お昼寝はしなくなったので家にいる間の私の自由時間はかなり減少した。

それはまあ、夫の体調が良くなったということなので良いことだと思うほかない。

 

それでも、デイケアに出かける日には庭仕事もできるし買い物にも行ける。時には友人と会うことだってできるし、今はコロナで思うように外出はできないけれど近場だったら遊びに行くことだってできる。

多少不自由だとしてもこんな生活ができることはありがたいことだ。

先日、ご近所さんが広報を届けてくれた時に「あなただから、ご主人は全然変わらずにいい顔でいられるのよね」と言われた。

自分の年齢を考えると近い将来にはどちらかが先に逝き、大きく変わるだろうと思う。でも今は自分が1日でもあとになるようにと願い、最期の最期まで2人で今の生活を続けられるようにしていきたいと思っている。